温暖化、ワイン畑が「山登り」 スペインで高地栽培
- 2008/10/26(日) 17:29:00
温暖化、ワイン畑が「山登り」 スペインで高地栽培
フランスとの国境、ピレネー山脈を仰ぐスペイン・カタルーニャ地方のトレンプ地区。標高1千メートル近くの高地には、マツやカシの木が茂り、石灰質の山肌がのぞく。斜面に目を移すと、鮮やかな緑のパッチワークが、一面に広がっていた。ブドウ畑だ。
高地の畑で、ブドウ栽培が始まったのは90年代半ば。同地方で140年近くの歴史を持つワインメーカー、ミゲル・トーレス社が切り開いた。シャルドネ、ピノ・ノワールなどの品種のブドウが50万本近く植えられ、すでに一線のワインで使われている。「温暖化が進み、これから何が起こるか分からない。高地栽培は、先んじて打つ手だ」とミゲル・トーレス社長は話す。
朝日
以前から使っている畑は、標高数百メートルほどにある。ところが、50年ほど前と比べ、収穫時期が平均で10日以上早くなった。年間平均気温が約1度上がり、実の成熟具合に合わせて、早めの収穫が迫られているのだ。
今春、標高1200メートルのさらなる高地に、約80ヘクタールの土地を購入した。今はまだ気温が低すぎて、ブドウは作れないが、トーレス社長は「土地の値段が安い今のうちに、30年、50年先を見すえて買った。気候変動とは徹底して闘う」と強調する。
もっとも、温暖化がワインづくりに与える影響は微妙だ。一般には気温が上がればブドウの糖度が上がり、濃厚な味わいのワインができる。トーレス社長も「温暖化で霜やひょうが減るなど、よい影響も出ている。ワインの品質も今のところはいい」と話す。しかし、気温上昇が極端だと芳香が損なわれ、病虫害も発生しやすくなるなどの弊害が出る。寒さを克服しながら栽培地域が広がってきた歴史を振り返ると、低温を求めて産地が移動する現状は皮肉とも言える。
同社は、温暖化対策の一つとして新しい試みに着手した。ブドウの木を日よけネットで上から覆う実験だ。ネットはプラスチックと光を反射するアルミからなり、太陽光線を4割減らす効果があると見込まれている。今年はその1年目。ネットなしの場合と比較しながら、データ収集を続けている。
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